ひげじいの「ひるがの日記」記事詳細

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2015/11/15

またまたテロじゃ!

学生時代のスキー部仲間でJALの航空機関士をしていたヤツがいる。

最近の旅客機は機長と副機長の二人がコクピットに乗り込みメカニカル担当の航空機関士というのは
コンピュータにとって代わられたらしい。
ドイツの旅客機がフランスアルプスに激突した事件は、機長がトイレへ立った隙に副機長が内側から
ドアをロックし乗員乗客を道連れに自殺したらしい。

アメリカの同時多発テロ以来テロリストの侵入を阻止するためのシステムが裏目に出たのだが、
航空機関士との3人乗務ならばこんな悲劇は起きなかっただろう。
その友人から『マッターホルン最前線』という本が送られてきた。(東京新聞発行)

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著者のクルト・ラウバーさんはマッターホルンへの登山基地であるヘルンリ小屋の管理人兼登山ガイド兼山岳レスキューの副隊長で
マッターホルンには350回以上登頂している割には山男というよりはナイーブな紳士という雰囲気の持ち主である。

友人がアイガーの麓クライネシャイデックからグリンデルワルトへ下るコースを滑っていてコブにぶっ飛ばされ対斜面に激突、
頚椎損傷でベルンの病院までヘリ搬送された時、保険会社から派遣されて通訳してくれたのが共同翻訳者のブルンネル淑美さんで、
その後も交流があってこの本の発行を知ったのだそうである。

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クルトさんらツェルマットの山岳ガイドで編成されたヒマラヤ遠征隊を案内したシェルパのアン・カミをスイスへ招待し
マッターホルンへ登った時のハナシが面白い。
8千メートル峰に何度も登っているアン・カミが4,478mの途中で高所恐怖症に陥ったのか『もう終わり、帰る』と言いだすのである。
頂上でのサプライズを計画していたクルトさんは普通の登山客には決して使わない命令口調で半ば強制的に彼を頂上まで連れて行く。

スイス側の頂上から狭い尾根を150m進んだイタリア側の頂上に十字架が立っている。
この日は改修された十字架を清める祝典ミサがあり、イタリア側の麓の町から司祭や代表団がヘリでやって来るのだ。

(ここからは本文をそのまま紹介させていただく)
『アン・カミはすぐ十字架を抱き、神に感謝し、下山の加護を忘れずに願い出ていた。
仏教徒である彼が、私たちの神に助けを求めているのに驚いた。仏教というのはどうやらすごく寛容なようだ。
この世の全ての宗教にこんな心の広さがあるといいのに!いろいろな宗教を信仰している人たちにもう少し柔軟性があれば、
この世の悲惨な出来事も防げるだろうに。
私たちが信じているのは、皆同じ神様かもしれない。自分の信仰だけが正しいと固執する限り、将来も今と変わらず戦いが起こる。』

我々は生まれると神社にお詣りし、結婚式はチャペルで、亡くなることをホトケになると言って
お寺さんにお経をあげてもらうのだから、寛容なのか無節操なのかよく分からんが、平和なことは確かだ。

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